[彼女を制する言葉を発するより早く、兄が口を開いた>>80人々の視線が兄へ集まる。ウェルシュもまた兄を見た。威風を以て、その場を鎮めてみせた兄を。] ────、…[その口から語られたは文書への疑義。のみならず、自らの王位継承正当性を主張し権利をも誇示する言葉。それらを全て耳にしたウェルシュは、一瞬、何かを堪えるかのような顔をした。兄が口を閉ざせば、一度、場はしんと静まる。その静寂を破るように、ウェルシュは口を開いた。]