[ぽん、と赤毛に手を置く。それで何が変わる訳でもないが、自分の勇気を分かつように、ゆっくりと撫で遣る。] おう、ったりめぇだ。 儂の、この両手に納まるもの、全て、[「じぬな」と吃音のような彼女の声が、砦に響く。確かな、覚悟を持った声だ。]