― 悪徳ノ館 ―
[不気味ナ館に飛ばされれば、女神ハどうやらすっカり眠気が醒めてシまっタご様子。薄暗い中でも綺羅びやカに光る藍玉にハ、思っタようナ恐れの色は無ク。
それどころカ、強ク抱いタ腕をまるで宥めるように撫でられてシまっタ>>53ものだカら。她ノ胸中までハ解らずトも、そノ様子にハ小さく笑みがこぼれタ――噫。流石ハ僕の女神ト言うカ。
指を差されタのハ、先程僕が視線を向けタ大階段。恐れるどころカ期待すらも滲ませて、爛々ト輝くその瞳ノ何と美シい事カ。
她の”心構え”とやらを、察シタわけではナいけれど。その姿ハどこまでも愛らシく、そシて優雅ナもノダっタ。
そうシて、大階段を登り。途中にある大きナステンドグラスの掛けられタ踊り場で。
揶揄るように、戯けるように落トされタ言葉にハ、向けタ目を数回瞬カせタ。]