― 月の舞台 ―[皇玉に属すと名乗った竜神の視線がこちらへと巡る。>>74その内心に過るものなど知る由もないまま、己が呼んだ竜とのやり取りを聞いて] ……強者《つわもの》、か。[小さく零れ落ちたのは、率直な感想。それから、紫苑色をふ、と空へと向ける] ……さて、そろそろ、かね。[後から来る者がないところからして、どうやら舞手は全て揃ったらしい。ならばそろそろ、と思いつつ、ひとつ、息を吐く。表に出さぬ緊張を示すように、真珠色の翼がふるり、と揺れた。*]