カサンドラ、さっそくだが頼めるかな。
君の力なら運べるだろう?
その赤いテープが貼ってあるトランクスーツは全て隣の部屋に移してほしい。
[かなりの重量がある荷物を彼女にまかせて、自分は仕事用の携帯PCを開きだす。
ベッドがある主な部屋の隣は、控えの間でもある小さな部屋がある。
本来だったらカサンドラはそちらに泊まるべきなのだが、そちらは作業部屋にしたいと思っていた]
自分がどこに泊まるか心配かい?
君はメインルームのベッドを使えばいい。エキストラベッドやソファもあるが、もし俺と一緒の部屋が気になるなら、俺の方があっちに泊まるよ。
[そういえば、彼女の近くに行ってはいけないとも言われていたが。
しかし、それはもってのほかの問題である。
年頃になったあたりから、見目いいメイドをそれとなく父からあてがわれても、なんの問題も起こさず、どうやら男色家であるらしいと内外に噂を立てられたのがルートヴィヒという男である。
一応性的志向は女性であるものの、生来の生真面目さとお堅さと好みの特異さのせいか、信じてもらえていない。
今回も、世間一般の良識に照らし合わせて、主としてではなく、普通に彼女にベッドを譲っていた**]