……ああ。 よっぽど、大事なやつだったんだな…。[霞む記憶には、手が届かずとも。心の方はたぶん、忘れることなど出来ない程に。けれど多分、医師自身にも心があることなんて、トールがいなければ…その音色の優しさを聴けなければ、自覚できないままだっただろう。心はちゃんと覚えてるよ、おやすみ…と囁いて蓋を閉じた]