― 巡る思考 ―
[諸々落ち着いてから、空を見上げてぼんやりと馳せる。
処理施設には、ディークも来ていた。
彼らはその後、どのような言葉を交えただろう?
リエヴルは自分の足で立っていた。
何時から治っていたのだろうか。処理施設に入ってから?
否、そんなはずはなかった。
恐らくは覚醒時だろう。身体の古傷が消えたものもいると言う、
異形を手にしたものも… クレステッドのあの姿もそのはずだった。]
何故――…、……
[リエヴルが見えない。
あの日、彼がディークに"傍に居て欲しいと言った"と告白された日から
ずっとそうだった。
居場所を、取られた気がして。「愛」という言葉を用いて
ディークを傍に置き、何をしようとしていたのかさえ解らずに。]