[身を貫いた触手は脳へと、心へと侵食するように声が響く。多くの生き物を喰らい、多くの命を他者に捧げてきた。命を奪うそれを危険といい、責めるように亡くすように誘う声でもあった。確かに、獣からすれば、粗末にせず美味しく食べたところで、関係ないかもしれない。己と似たような形の、あるいは意志の疎通ができる相手へと仲良くしているだけかもしれない。ここにきてすぐのときは、侵食された思念におとされていたかもしれない]