[ぐるぐると思案していたそのとき、
聞こえたナネッテの言葉に、弾かれたように顔を上げる。]
え、人狼――…!?
[あまり定かな話ではなさそうな様子だが、]
え? 人狼が武器庫に?
武器使うの、人狼って?
ああいや、もしかして誰かと戦ってたのか。
それが、主任さんが聞いたっていう“轟音”か。
だとしたら――人狼に襲われていたひとは、いまどこに?
まさか、そのひとも、あの場所で……
[独り言のように、ぐるぐるぶつぶつ、喋ったあとから思考がついてくる。
今の自分には、あの場所で亡くなったのが誰かもわからない。
一人か、二人かすら。
そして、それ以前に、どのような経緯があったのか。
だから――…、聞かされたその話が、誰に対するどのような“疑念”になるかは、
きっと、得る情報や、これからの状況次第。
ああ、でも]