[来るか、と思えば離れてゆく。撹乱かと知れば、榛は獲物を見据えた鷹の如く動いた。狼が熊を襲う時の狩りに似ているように思えた。尤もあれは、複数で襲い掛かるのが常だが。無軌道な動きは長くは続けられないはずと、風の声に耳を傾け、嵐が爆ぜる瞬間を待つ*]