[ブォン、と響く音。あれはもしかしたら、剣ではなく風の刃だったのかもしれない。どちらにせよ、ヴェルナーがとった行動は同じだった]────── っ!![繋いでいた妹の手を、その身体を、両手で押し退ける。飛び込むような体勢の前を、目にも留まらぬ速さの何かが通り抜けた]走れっ………飛べ!![妹に対して精一杯叫ぶ。一拍置いて、ヴェルナーの両腕が地面へと ─── 落ちた]