[一息ついているのも束の間、ゾフィヤの視線を感じる。
彼女の悲愴な声に何も言えずにいたが最後の言葉には男も取り乱さずにはいれなかった]
いいね、君は信じれるものがあってさ。
信じていた者に裏切られた俺はどうなる?
俺だって、こんな結果がでなければセルウィンのこと…。
[熱をあげてしまっては止めることができなかった]
人の気持ちを考えてモノを言ってくれ。
君の能力は死んだ者の声が聞こえるんだろ?
目の前で裏切られないでいい能力だな。
[男自身が自分の気持ちのみで声を荒らげたのは一番知っていた。
勢いで言ってしまって、引込みがつかなくなったのか。翻訳場へと歩き出す]
…仕事をする。一行中途半端なんだ。
アデル、手伝って―――。
[自然と出た名前に口を抑えた]