― 図書館 ―
[冷静になれば、コウモリなんて敵じゃあない。
飛びかかってくるやつに狙いを定めて銀鎖を叩きつければ、黒い煙を吹いて落ち、あっというまに燃え尽きたような灰になる。
やはり、吸血鬼の眷属なのだ。
残り五匹を仕留めたところで、最後の一匹がキーキー鳴きながら高く飛び、窓から外へと逃げていった。
逃げてもらうのは当初の予定通り、だけれども、よく考えるとなにかマズい気もする。]
当面はオーケー、と。
そっちは大丈夫かー?
[先ほどの声以降静かになっていたから多分大丈夫だと思うし、ダメだったらもう手遅れだろうな。なんて考えながら声が聞こえた方向に歩いて行き、書架の向こうに顔を出す。]