[生クリームを泡立てながら、別れ際のパメラの反応を思い出しては、頬が緩む。>>52――キラキラとした目で、「夏至祭を彩るのは、花とオットーのパン」だと。シフォンケーキを楽しみにして、ぱっと顔を輝かせて。籠を手渡される時の、嬉しそうに腕を振る姿が目に焼き付いている。太陽のような明るい笑顔を浮かべて、風のように木々の間を駆け抜ける、そんな天真爛漫な彼女がs――][そこまで考えて。店の扉の、来訪者を告げるベルが鳴り、はっと我に返る。]