― 街中・広場 ―
[ 声をかけたなら
振り返る何やらきまりの悪そうな顔。>>71
特徴的な髪の色を見ることが出来なくとも、
近づけば誰何が知れるほどには貌の知れた相手。 ]
…いやいや、ボクは別用で通りかかっただけですよ。
そしたらディルドレさんの歌と――、
それから、聞き惚れている貴方を見つけた訳でして。
[ じぃ。と、非難がましい視線を投げかけるのは
もはや習慣であると言ってもいい。
季節の変わり目は熱の出し時。
…あるいは、急激な運動は風邪の予兆。
それらすべてを教えてくれたのはこの人で、
今は大分改善されたとはいえども
抱いてしまった『虚弱体質』の印象は拭えない。 ]