[故に、魔の術を学びに学び舎に入った時も、
術を極める志は青年には欠片もなかった。
魔を教え極めるべき学び舎には、あるまじき者と映っただろう。
学ぶはあくまで、知識の会得と…ささやかな趣味の故である。
そう公言して、就いた師から残らないかと誘われてもこれを断った。
青年には非凡な才があった。
才なき者にとっては難いとされる論理魔法を易々と習得した。
要を得て術と論理をすぐに会得した。
師らは喜び学友の中には憎しみの如き目すら向ける者までいたが、
当人は至って涼しい顔をしたままだった。
そうして得るべき物は得たとばかりに、早々と騎士団へ戻って来た]