― しばらく後の話 ―[ 激しい雨粒が窓を叩いている。 客室でもなければ、 使用人の泊まる部屋でもなく、 人一人が暫く居るには丁度いい 王宮の一室に、今は人の姿は無い。 只、机の上にぽつねんと 折られた筆と一枚の絵だけが在る。 古めいた紙切れ>>2:183は 長い間仕舞い込んであったように 日に焼けては居ても傷んではいない。 それは独特の色遣いと線で描かれた 夜明けの空を飛ぶ鳥の傍に沿うように 一羽の白い鳥が書き足された* 絵だった * ]