──現在・第三エリア倉庫──
[甘い実が生るポポーの樹。
その下で見ていた夢はあまり良くないもの。
たくさんたくさん、花が枯れて草木も潰えて
あたりが全て焼けてしまう夢。
目を覚ませばずくずくと、
耳元でまだうるさいほどに傷口が脈打った。
傷ぐちに咲かせたのは赤い花。
それにそっと触れてから、娘は必要もない
ビームサーベルの柄を握り、
辺りの様子を伺いながらその場を離れていく。
そうして人気のないだろう第三エリア、
倉庫付近へと向かえば機関長室の方から
歩いてくるその姿が見え、そっと
その身を伏せて隠そうとする。
だが、眉を顰めながらそっと角から
頭の先だけ覗かせ彼を確認した。
あちらからも、此方が視認できるよう]
テオドール…………。
[呼びかける声は寝起きで掠れている。
彼はこちらに気づいてくれただろうか?]*