―回想/ローとの通信―[魔石に触れれば、その表面に浮かぶのは細かな文字。くるりと認識番号を切り替え、暫く待つ。噛み付くような勢いで、慣れ親しんだ声が受話する。草原で使われている言語を使い、声を潜め、笑った]――ロー。無事か。……ああ、わかった、わかった。そんなに怒るな。反省している。俺は取り敢えずは大きな怪我もなく無事だ。後方拠点は、問題ないか?[恐らく前線での混戦にやきもきしていたであろう部下に苦笑し、――やがて、声を低めて囁く]