では、今度はこちらの番だ。
ミヒャエル殿を討ったのは、この私だ。
同行者を逃す為単身で私の首のみを狙ってきたので、正面から迎え討った。
彼は致命の傷を負っても命尽きるまで地に伏せる事も無く。
ゼファーの戦士は一騎当千と知ってはいたが、それをまざまざと見せつけられた。
惜しむらくは、己が生きる為だけに私を討とうとした事のみだな。
私の首を捕ることの意味が分かる程となっていたなら、きっとこうはなっていなかったろう。
[言葉の中に混ざったのは、己が討った相手を惜しむ思い。
他国の戦士ではあるが、あと数年すればきっとひとかどの人物となっていただろうに。
そんな思いは、ただの感傷とも分かっているけれど]