[魔法には属性の相性というものが付き纏う。
また、それでなくとも、勇者の力持たぬ己の魔力では
混沌の王に通ることはないと推察する。
打撃武器を主体とする勇者とその血脈が集い、
連携の下電光石火の連撃で畳み掛けるこの場では、
自身の魔力は逆効果に…却って邪魔になりかねない。
では、どうするかといえば。]
……補助、しかできないんだけどっ!
俺の魔力全て、今、この場で混沌の王討たんとする
勇者たちの回復と体力補填に充てる!!!
―――оЧЪёЖ МвжШха!!!!
[彼らの元へ届けと両腕を伸ばす。
開放に焦れて揺らめく光は刹那、動きを止め。
宣により、直後、全てを解き放つように霧散した。
蛍のような、雪のような、淡い光が降り注いでゆく――]