─宿屋三階・ニコラスの部屋─
[扉を開けて部屋へ踏み込むシモン>>81に続き、部屋へと入る。当然ながらニコラスはいなかった。まぁ、仮にいたとしても驚きすらしないのが己なのだろうけれども。]
──……。
[…は部屋に入ると、何かを感じ取ったかのように、引き出しを開ける。中には、手紙が入っていた>>3:214。]
──エルナ、君宛だ。
[手紙を手に取ると、己は当然のようにエルナへと渡そうとする。エルナはそれを受け取っただろうか。
自分の殺した相手の遺したものだ。普通ならば中身を確かめるか懐に忍ばせるかはするだろう。
しかし、自分は普通ではない。中身を気にする感情など持ち合わせない。
──或いは、ニコラスの何らかの願いが己に宿ってしまったのかもしれない。
と、漠然と考える。中身を気にせずエルナへと手紙を渡そうとする姿はその場の人に、どのように捉えられるだろうか。それもやはり、漠然と考えた。**]