― 魔軍が目覚める夜 ―[レオヴィルの皇子が魔の手に落ちた夜の後、日が上り、沈み、もう一度日が上った。魔王が動かない間に軍は休息をとり、次の戦いに備える。それは人間たちにも迎え撃つ準備をする時間を与えるということだったが、なにしろ絶対者が動かない以上は軍も動きようがなかったのだ。そして、上がった日が傾き始めるころ。ついにツィーアの玉座に魔王が姿を現した。]