[街のあちこちからは煙が上がっていた。剣や槍が打ち合う音、魔法が建造物を破壊する音、誰かの悲鳴。耳や鼻を塞ぎたくなるような、様々な音や匂いが立ち込めていた。その中をひたすら走って逃げていく。飛ばなかったのは、狙い撃ちにされるのを恐れたためだ][妹の魔法を使えば少しは加速出来たかもしれない。使うというならば受け入れもしただろう。路地を抜けたり、敵兵の目を盗んだりと逃げ回る中、その時は訪れた]