─ 街中 ─[元々この辺りは人通りも多くない。加えて、近隣の住人が一所に集まっている事もあって人の姿は無かった。前から歩いてきた、彼以外]あ、あの、えぇと。[今の音が聞こえたかどうか悩ましい距離。>>72普段と変わらぬ笑顔を向けてくるリヒャルトに、もしかしたら聞こえなかったかもと思ったのはほんの少しの間だけ。続いた誘いは、恐らく…というより間違いなく聞こえていたからだと分かるもの。安堵しかけた反動、先ほどより熱くなった頬を手で押さえ]