――誰か、曹長を見てやってくれ!
[>>73痛む肩を庇いつつも、男は周囲に呼びかける。
怪我の治療は習ってはいるが、彼が倒れこんでから何処を打ったのかは分からない。
もしも頭部であれば素人が手を出していいものか。
駆けつけてきたのは、主計科に所属する二人。]
先刻、其処で爆発があった。
曹長は何処か怪我をしているらしい。
軍医殿はもう船の中か?
[蒼褪めた顔のまま、女性兵と少尉に情報を提供する。
自身が接する事は少なくとも、軍医の丁寧な仕事ぶりは知っていた。
だからまだ、甲板の何処かにいるのではないかと]