習わしはただの習わしです。
大切なのは国王陛下のご遺志でございます。
第一王子であるフェイクス殿下が正当な後継者であらば、
その弟君であるウェルシュ殿下も正当な後継者に
変わりありません。
[うるさい心音も"正当な後継者"という一言で静かなったように感じる。>>81
彼は弟の王子様に向かい、跪いけば、弟の王子様を真っ直ぐとみつめる。
言い終わればそのまま深くお辞儀するんだろう。
潰されなように気をはらなければ]]
ウェルシュ殿下――、
私、リヒャルト・ラバルは……、
ラバル家当主といたしまして
新しい国王陛下の誕生を大変喜ばしく思います。
[彼――リヒャルトの中での新しい王様が誕生した瞬間だった*]