―吹雪の道―
[歩いていて、何か、大きなものに躓きました。そのまま思い切り前につんのめって、転んでしまいます。雪についた手が、痛い。]
痛……一体、何が。
[手探りで辺りを探ると、薄く積もった雪の下に、人がおりました。その体温はすっかり冷たく、もう生きてはいないことが、私にも分かりました。]
ちゃんと防寒もせず、外へ出るから……。
それにしても、この包みは……?
[その人物が大切そうに抱えていた、四角い大きな包みに気を取られるも、そうこうしている間に私の体温も奪われつつあるのです。
常に首から下げている、パパとママの遺骨を加工して作られた十字架のペンダントを握り、軽く黙祷をして先を急ぐことに致しました。]
[いくら寒く、防寒がしっかりしていなかったとしても、こんな風に人が死んでしまうだなんて、どう考えても異常です。見るに彼も、家を出てそう時間は経過して居ないのでしょう。]
……急がなければ……。