[グラスの破片も片付け終わり、改めて椅子に座る。
紅茶を頼むニコラスに確認され、「お願いします」と頼んだ。>>68]
……。
[松葉杖をつきながら、椅子に向かうシモンに視線を向ける。
やはり似ている──けれど、全く別の人間だ。
名前を聞けば、それは更に認識できて。>>82]
……シモン、ですか。よろしく……。
私は、ジムゾンと申します。二年前から、この村の教会の神父をしております。
[名を名乗り、少しだけ頭を下げた。
死んだ者と似た姿の者が生きて動いている様子を見られるのは、どこか嬉しくて、そして辛い。
でも、ちゃんと見るなりして「違う」ということを認識しておかなければ、シモンに対してもユリウスに対しても失礼だろう。
おかしな幻想に囚われてはいけない。と思った。]