人狼物語−薔薇の下国

533 R【P】村2


旅芸人 カレル

― 昼食時・宿のレストラン ―

[太陽が東から南へと登る時間は普段人気のない宿もそこそこ賑わっている。宿に泊まっていない村の人々も食事をしにやってくるからだ。
談笑する人々の中、食事を終えた…は、レストランを見渡せる窓の近くへと立つ。
それに気付いた人々が「よっ、カレル!」「歌って歌ってー!」等と囃し立てた。
…は流れるような手の動きで弦楽器に張られた全ての弦を一度鳴らす。そして笑いながら皆へ声をかけた。]

やあやあ、皆!
今、この村に人狼の噂が立っているのは知ってるかな?
…うんうん、怖いよね。
それでね、人狼の噂を聞いた時に、いつか行った村のことを思い出したんだ。

[話口調だった…の声は少し低くなり、囁きかけるような柔らかい口調で物語を語る。]

そこは、人と人を運命の絆で結び、縛り付けてしまう悪戯妖精が支配する村。
新月の夜、人は狼へと目覚める。その時、人々の運命を覗こうと悪戯妖精も共に目覚めるという。
妖精は人と狼との戦いに勝ち、そこに住む人々は妖精に洗脳されてしまった。
人々は妖精を崇める。人々は皆笑顔で、誰もが幸せだと答えた。その村は、争いのない平和な村となった。

[語り終え、弦楽器で伴奏を奏でる。低い音程で灘らかな曲調だったが、時折弾かれる不協和音が心に不安を抱かせる。…は静かに歌い始めた。]

(83) 2020/02/29(Sat) 14:30:54

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