ついでにストンプの様子も見てきてくれないか。
守備隊の残存部隊、リオレにも退いただろうが、
相当数がストンプにも流れたはずだ。
ウェルシュがいるが、あいつはちとまだ頼りない。
軽く顔を見てやってくれ。
[告げる様子はどこか柔らかくなる。
ゲオルグは長年、ストンプに──土地と、そこを治める家との両方に出入りしてきた。ごく親しくしてきたと言っていい。
だからごく当然に、男はウェルシュのごく幼い頃からを知っている。
タクマもそうした事情には通じているはずだった。
何度か過去に、副官を伴って訪ねたことがあるのだから。]