[体温が伝う極めて近い距離で感じる他人の肌の匂いは、
如何にも”翼を休める場所”を思い出して…
手招きする睡魔の声なき誘いに誘われる侭に欠伸を一つ]
……さて、私の記憶が確かならば、
此処は多種多様な客人が訪れる場所である筈だ。
君の望む”甘い匂いのもの”も、
若しかしたら用意されているやもしれないぞ?
[終いの合図に彼の鼻を掌で覆う様に、添えた掌でそっと押し遣って。
距離を取らせた相手へと、今度は此方が距離を詰め]
……みつからなければまたおいで。
[低く潜めた甘ったるい囁き聲と、その音を乗せた吐息とで
仕返し代わりに、顔を寄せた彼の耳元を擽って]