……ばっ、かじゃない、の?
なに、呑気に、寝てんのよ……
一緒に、行こうって、っ……
そう、……っ、言ったじゃない……
[ガンッと、鈍い音をさせながら、コクーンからみえるソマリの顔を叩く。
もちろん、グー、だ。
それは分厚い蓋に遮られたけれど。
……そりゃ手の方が痛いけれど。
乱暴だって?それがどうした。
すやすやと、いけめん面で寝やがって……。
大人しく、たおやかに、しくしく泣くと思ったら大間違い。
そうやって泣かせたいなら、起きて来いって言いたいものだ。
ボロボロと、馬鹿みたいに泣いた。
哀しみに呼吸が重くなり、喉を掻きむしって抉りたいほどの嗚咽が漏れる。
腕を負傷したときよりも、何倍も、何十倍も胸が痛むのだ。
ぎゅうっと服の胸部分を握りしめ、堪えようとはせずに、ただただ泣いた。
悲しいのだ、苦しいのだ、辛いのだ、胸が痛いのだ。
そんな思いを全部、全部涙に込めて。
ふわり、と小さく風が吹いた気がした。
半分、連れて行ってくれるのかな?]