―イージス巡洋艦・ヴィスマルク艦上―――……ああ、あの海だ。あのときの、あのままの海だ――、[記憶にあるままの、あの。鼻腔に届く潮の香が、すべてを思い出させる。たった一人を除いて、乗員全員の命を奪った海だけれど。忌まわしい記憶よりも、あの、焦がれたあの人との思い出が甦る海だ――]