…気持ちも少しは、変わるだろう?[或いは自らに言い聞かせたかったのかも知れなかった。それから暫くの間、吸い込まれるようにして空を見上げる。ふと、気がついた。今は一人きりの時ではない]ああ…、すまない。[どれだけ時を過ごしてしまっていただろう。道を空ければ、小さく頭を下げて彼女は去り行く。その時初めて、彼女が聖歌の歌い手であったことに気付いた。ローズマリー・ティール。彼女との再会は、かの”遠足”で果たされることになる]