―廊下(だよね?)―
「―――――」
[何か音が聞こえたような気がして、ぴたりと足を止めた。
耳を澄ませる。]
「……父、様……?」
[どうやら少女の声のようだ。エレオノーレが言っていたあの子だろうか?
エレオノーレは、何やら思い入れのある様子だったけれど……。]
……ごめんね、エレオノーレ。好きよ。
あなたのこと『は』。
[あなたの好きなもののことは、知ったことでは無いけれど。]
[そして私は、その子が1人なのか、それとも複数で居るのか、確認するために一歩ずつ音のした方へと向かい、身を隠しながら耳を澄ませ……。]