ん、終わりか…
[拍手を受けてふぅ…と一息をつく。んー…と伸びをして周りを見渡す。
劇に参加した人達を順々に眺めてみる。
劇中で仲間だったテオドールが同じく悔しそうに、しかしにこやかに笑っているのをみつけて、少し離れていただけなのにずいぶん久しぶりな気すらする。]
―――屋台の作り置きがそろそろ無くなる頃でしょうから、行ってきますね!
[ベルティルデが元気よく振り返りそういった。
その笑顔は先ほどとは違いいつもみせる笑顔である。
駆け出して行った彼女を追って、挨拶もそこそこに俺は屋台の方に足を向ける。用事があるわけでもない。ただ、多分俺はこの出会いを「楽しかった思い出」では終わらせたくはないのだ]