[シルキーがカラカラと音を鳴らしながらワゴンを押して広間にやって来た>>57。
尻尾を振って輝かん笑顔を振りまく事を期待してたら、しょんもりとしていてどうしたのか、と言いたげに見ていたら、どうやらコーヒーを作るのに失敗したようで。
でも見た限りでは、普通のコーヒーと同じ様に見えたのだが。]
あぁ、もう少し豆を入れて良いや。
でもちゃんと飲めるから問題無い、本当にありがとう。
お袋も、そうやって……あ、いや、何でも無い。
[味と香りは薄いものの、コーヒーの旨さを堪能していたら、幼い頃父親と母親が似たようなやり取りをしていたのを思い出し、よく「危ない事はしないで」と心配してたな、と。
そんな母親の忠告を受け入れなかった親父は嫌いだったな、と。
今日はよく昔の思い出を思い出させるな、と自嘲していたら、ヴェルナーがやってきて、病院に向かう時間だと告げた。]