ならず者 ディーター

もし、役割があるんだとしたら……
人狼騒動においては、人狼を探すことこそ、役割だろう。
三種の守り手などと言われたものは、その補助だと考えるべきだ。

力がない？そんなことはない。
言葉こそ、最古の魔法であり、武器であり、守りだ。

人狼騒動は──よくも悪くも、それを行使することができる。

［人狼騒動の議事録をディーターは読んでいない。
だけれど、シモンの口ぶりからするに、議論し、処刑する人間を決める、というのが伝統的な流れなのだろう、と察することはできた。

だから、役割と言うのなら──と、見当違いでもいいから口にして見たけれど。
儀式的な意味での役割や、実験的な意味合いのもの、その他諸々なら、それはもうお手上げだ。わからない。］