何が起きた!!?[階下へと急ぎ、玄関を開け放つ。 既に幾人かが降りていることは知らねど、 玄関先でフランツに会うことが出来たなら、状況を聞けたろうか。 いずれにせよ、確かめるべく庭園に踏み入ることにはなるのだが。] ……これは。[嗅ぎ覚えのある臭いを嗅ぎ取り、足が止まる。 過去、剣戟に金属の擦れ合う音、土埃舞う中では常にこの臭いに包まれていたものだが、この館に、否、この村には似つかわしくないものだ。――『血』の臭いというものは。 眉間に深い皺を刻み、唇を引き締めた。軽い舌打ち]