[きし、きし、と足元から音がする。術者の制御を離れて、術が解け始めているのだろう。何処からか湧き続ける湯の熱もまた、赤い氷を侵食する。いつ割れるとも知らぬ氷の上で、意識の無い女を蹂躙する。] ───悪くない。 いや、そそる状況だな。[独り言ちて、女の両手を頭上に押さえこみ、柔らかい身体の上にゆっくりと体重を移していった。]