[ローランドの魔法で逸らされた矢に救われた者たちを振り返ると、これからのことに話題を移した。]
犠牲者を埋葬したら、急ぎハールトへ向かおう。
ベネディクトたちと合流して、魔軍の反攻に備えなければ。
いうなれば僻地だったファットリア地方とは違い、さすがに港湾都市ハールトを奪還されて安閑としている魔軍ではないと思う。
あちらが本気で軍を動かしたら、数の差は圧倒的だ。
平原で真っ正面から当たるわけにはいかない。
[南からの兵が追いつくのを待ち、一部はローランドが連れて来た土木技師の案内兼守備隊として砦建設地へと引き返してもらい、また、非戦闘員も峡谷越えのルートから南方へ退避してもらう。
彼らには、ベースキャンプに残してきた船でベルガー島と行き来して、ファットリア地方を義勇軍の補給地とすべく人と物資の集積を進めてほしいと指導した。]