”ぬちゃ、べたっ。”[すると小型の水生昆虫、と言っても体長50センチはあるゲンゴロウの類が、長い藻を持って壁を登り始めた。どうやらそれを使って壁を乗り越える心算らしく、藻の先端を握った大型の魔物がぞろぞろと近づいてくる。]「壁に投げつけられる藻に注意せよ!壁の北側では、只今魔物たちが登り梯子として使おうとする姿が確認されている」[早速伝令が各防衛先へと飛ばされる。その様子を確認しながら、ひたすら魔物目掛けて矢を放ち続けた。**]