―― メイン・サロン ――
[サロンには何人かの乗員乗客の姿があった。
皆落ち着かない面持ちではあるが、目立った怪我のある者はいないようだ。
見知った顔が、てきぱきと状況確認を進めているのを見かければ]>>>79
怪我はねえよ、ただの二日酔い。
お疲れさん。
あんたも無理すんなよ。
[先程医務室の傍で会ったときの様子を思い出す。
その後彼の身に起こった、人工重力と偶然の齎す更なる悲劇のことは知る由もなく。>>77
もし一連の出来事を知っていたら、あんた女の尻に敷かれる体質なんだな、などと軽口のひとつも叩いただろうけれど。
邪魔をしないよう、壁際へ。
誰か状況が分かる者はいないかと、辺りを見回した]