あ、そうそう。
[会話の途中思い出したように懐から取り出した、小箱のひとつを渡す。
中身には通信機が入っており]
もとは帝国の技術のものらしいけどさぁ、貴重品でしょ?
レナトに渡すのが一番だと思ったから。
[どこで手にいれたのかを聞かれたか、あるいはその様子から気にしているのを感じ取れたか]
隊長がさ、くれたんだ。私も中身見て驚いたよ。
なんか…『狼』って呼ばれてる人とつながってたみたい。
隊長は『虎』だってさ。
[小箱には、メモが残されていた。はじめから二つ、私と………生き残らせて持たせるつもりだったのだろう。
お互い、コードネームと通信でしか知らない仲ではあるらしいが、
裏に生きる仕事をするもの同士として、簡単な連絡くらいはとっていたのだろう。
受け取ってからいままで、ずっと使うことのなかったそれだったけども、その『狼』とも後で通信を送ってみるかと、
そんなことを考えているうちに、やがて兵士たちの詰め所へと、先ほどの騒ぎ>>20のこともあってか、私を見るめはやや冷たかった]