― セミヨン川南岸 ―[舞い降りた赤紅を追うように、魔の群集とは少し異なる異様な軍勢が迫り来る>>63。まだ接敵していないにも関わらず、その気配は風と共に襲来を告げた]「なんだ…? なんて臭いだ」「おい、あの軍装……ちょっと待て、あれって…!」[迫る軍勢に兵達の動揺や嫌悪は隠し切れない。足並みが乱れ始めるのを騎士の一人が声を張り上げ宥めているのが聞こえた]冒涜者め…![男の嫌悪は眼前のアンデッド達ではなく、これを為した術者へと向く]