[とりあえずは贈り物をたくさんすることにしたのだった。
例えば。
握って眠ればいつかの異世界パレードのようなきらきらした夢が見られるお守りの石だとか、
持ってたらなんとなく小銭を拾うくらいの幸運が訪れる指輪だとか、
暗い気分でも一粒食べたらほわっとしてしまうような飴玉だとか、
とりあえず魚だとか。]
『………にゃー』
[一仕事終えてふーっと胸張り、がんばって握ったペンで「おうまさんより」と謎の文面を残した所で、猫は眠くなってしまった。
人様のベッドの上で丸くなる。
起きたらご挨拶して帰るのだ、それで十分だろう。
だってこれから平和がやってくるのだ、それを先取りしたってバチはあたるまい――。*]