[やがて、わたしたちは入室の許可を得て捜索を始める。
程なくして目的のものを見つけると、わたしたちは速やかに退室した。
もう王宮には用事はない。
後継者がじきに決まるかは分からないが、双方のうちどちらかが否と唱えれば、決定は延ばされるだろう。
己がその場にいても状況は変わらない。ならば、すぐにでもゾネス要塞に帰還し、迅速に事を進めないと。
わたしは王宮から出たその足で、すぐに北へと向かった。
そして、帰路の途中で部下の目を盗み、取り返した構造図を火にくべてしまう。
それが完全に灰となるまで見守って、わたしはようやく安堵の息をついた。**]