[ 呪に導かれるのは地に流れる小川の水、生ある樹木ではない銀樹に、水を吸い上げる力はなかろうが、その表面を呪に誘われた水が這い上る ]よし...![ その水が、左手で握った枝まで届いた時、彼は右の手に抜き身のまま持っていた剣で、ざくりと水からの左の二の腕を切り裂いた ]いつっ...![ 彼の武神のごとく無表情とはいかず、痛みに顔を顰めはしたが、手は確りと枝を握ったまま ]『金生水...伸!』[ 唱えると同時、枝分かれした銀の先に水と血の混ざった赤い枝が伸びていく ]