―― 医務室 ――
[進む治療を、医務室の片隅に佇んで見守りながら、武器庫の状況をガートルードに手短に報告していく。
現場の状況、火災は既にほぼ消し止められたこと、そして]
……恐らく、誰かあの場所で、亡くなってます。
現場の荒れようが酷くて、確認は取れなかったけど、
そういう、臭いが。
[あれは一体、誰であったのか。
銀羊号の乗客だったとしても、金馬号の誰かであったとしても、胸が深くざわつき、ぐっと唇を噛む。
人が動く気配がして、寝台の方でナネッテの声がした。>>57
開かれる瞳に、ふ、と安堵の息を吐く。]